最近は、非エンジニアでも簡単に業務フローを自動化できるノーコードツールが増えています。

neccoでも、ZapierGoogle Apps Scriptを使って日々の業務を効率化していますが、今回は新たに「Yoom(ユーム)」というサービスを試してみました。

この記事では、

  • Yoomの概要と特徴
  • 実際に作った業務・個人向けワークフロー
  • 実際に使ってみた感想

をまとめています。

「業務の自動化に興味があるけど、コードは苦手…」という方にぜひ参考にしていただけると嬉しいです!

Yoomについて

Yoom公式サイトの画像

https://lp.yoom.fun

Yoomは、AI・API・RPA・OCRなど様々な技術を組み合わせた「ハイパーオートメーション」によって業務の自動化や効率化を目的としたワークフロー作成ツールです。

ノーコードで直感的に操作できるサービスで、非エンジニアのユーザーは80%以上という実績もあり、誰でも簡単にワークフローを組めるのが魅力的なサービスです。

Yoomの主な特徴

1. 業務自動化に特化

データ入力や、書類発行などをはじめ、社内通知やSaaS間の情報連携など、さまざまなデスクワークを自動化することができます。

社内通知のフロー例を示した図。日報リマインダー、KPIレポートの通知、CRMステータスの更新通知、契約締結完了の通知フローなどが示されている。
社内通知のフロー例(https://lp.yoom.fun/
SaaS間の情報連携のフロー例の図。顧客ステータス管理や契約ステータスの連携、入社対応、取引先情報の連携のフローが例として示されている。
SaaS間の情報連携のフロー例(https://lp.yoom.fun/

連携アプリ数は、450以上あり、社内で利用しているサービスにあわせてワークフローを作成することができます。

連携しているSaaS・AIの例を示している画像、連携アプリ一覧を見るボタンがあり、さらに詳しい内容を確認できるようになっている。連携App数は450+と示されている。
連携アプリは450以上✨社内で利用しているツールもきっと見つかります!(https://lp.yoom.fun/apps

2. 直感的なUI/UX

ドラッグ&ドロップによる操作で、複雑な設定をせずにワークフローやアプリを作成できます。誰でも直感的に使いやすい設計になっています。

利用社数も多く、非エンジニアユーザーはなんと80%以上🎉 誰でも使いやすいのが、数字からも伺えます。

Yoomの利用社数と非エンジニアのユーザー数を表した画像。利用社数は、「20,000社+」。非エンジニアのユーザー数は「80%+」と示されている。
https://lp.yoom.fun/

実際に触ってみても、UIが分かりやすく直感的に操作しやすいので、ノーコードに慣れていない人でもすぐに馴染めそうだと感じました。

3. テンプレート活用で実践可能

事前に用意されたワークフローテンプレートが豊富にあるため、ゼロから作らずにテンプレートからすぐ活用できるのも大きな魅力です。

すぐに使えるテンプレートを示した図。「メールで受け取った請求書をOCRで読み取り、シートに登録する」などのテンプレートが例として示されている。
フローテンプフローテンプレートの例(https://lp.yoom.fun/

テンプレート一覧を眺めてみるだけでも自動化のさまざまな可能性を感じました!

全てのテンプレートの一覧ページの画像。左サイドバーにはカテゴリーのメニューがあり、右側にはテンプレートの見出し・説明・使用するツールのアイコンが記されたカードが配置されている。
テンプレートが豊富なので用途に合ったテンプレートが見つかります✨

4. 分かりやすい料金プラン

Yoomにはいくつかの料金プランが用意されており、個人利用からチームでの活用まで幅広く対応しています。無料プランもあるので、簡単なワークフローであれば気軽に試せるのも嬉しいポイントです。

Yoomの料金プランの画像。左からフリープラン0円/月、ミニプラン9,600円/月、チームプラン24,000円/月、サクセスプラン48,000円/月 
 の4プランが記載されている。
料金プラン(https://lp.yoom.fun/plan

Yoomを実際に使用して感じた良い点と気になる点

良いと感じた点

実際にYoomを使用して以下の5つが良いと感じた点です。

1. 日本の会社が作っているのでドキュメントや料金プランなどがわかりやすい

サービス全体を通してにとても使いやすい印象を受けました。

日本の企業が提供しているサービスということもあり、ドキュメントが日本語で丁寧に整備されていることや、料金プランも日本円で明確なため、安心して導入を検討することができます。

2. UIが直感的でわかりやすい

UIは直感的で操作しやすく、初めて使う人でもあまり悩まず操作できる印象を受けました。非エンジニアが80%利用しているという実績も納得です!

3. API生成方法などの連携するアプリの生成方法などのドキュメントがあり親切

APIの生成方法や、他アプリとの連携方法についても詳しいドキュメントが用意されており、ユーザーにとても想いのサービスだと感じました。他に試したサービスでは、APIの接続方法がいまいち分からないものもあり、わざわざ別のサイトを検索して見に行く必要があるサービスもあるので、小さな心遣いがとても親切に感じました。

設定画面に必要な手順が補足されている例。Webhookの設定方法について記されている。
設定画面には手順や注意事項などが添えられています

4. 豊富なアイデアブログが参考になる

Yoomのサービスサイトにあるブログがとても参考になります!

自動化のアイデアやAIオペレーションの活用方法など、公式でまとめてくれています。投稿数もかなり多く、とても充実しているので、活用方法などは公式ブログで学ぶことができます。

Yoom公式サイトのブログページの画像。「【ノーコードで実現】GoogleカレンダーとZoomを連携する方法」などの記事が表示されている。選択できるカテゴリーには「RPAの活用方法」や「自動化のアイデア」などがある
Yoom – ブログ (https://lp.yoom.fun/blogs/all

4. チャットサポートで気軽に質問ができる

チャット形式でリアルタイムに問い合わせができるため、操作に困ったときや設定で迷ったときにすぐに相談できます。チャット上のヘルプ検索からも検索ができ、安心感がありました。

お問い合わせフォームを開くことなく、操作しているページ上から操作できるのが便利です。

チャットサービスの画像。ボットとYoomチームに質問を入力できる質問フィールドとヘルプを検索できるフィールドがある
リアルタイムで寄り添うチャットツール

5. 考えられるエラーの原因と解決方法を提示

エラーが発生した際に、エラーコードと共に、考えられる原因・エラーの検証方法が表示されました。

ノーコードのワークフローツールでは、エラーがブラックボックス化してしまい、原因の特定が難しいことも多い印象ですが、エラーの検証方法を提示されるので落ち着いて対応ができます。

使い慣れていない方でも安心して使うことができます。

エラーが発生した場合の表示。「リクエストに失敗しました。エラー内容と設定情報をご確認ください。」の文言とともに、発生したエラーから考えられる可能性や原因、検証手順が記載されている。

気になった点

良いと感じる部分が多く魅力的なサービスですが、以下の点が気になりました。

料金プランがZapierに比べてやや高め(2025年6月現在)

ミニプランでも月額9,600円〜と、既に社内で利用しているZapierと比べると高めの価格設定となっており、社内への有料プランの導入にはもう少し精査が必要になりそうです。

Yoomの料金プランの画像。左からフリープラン0円/月、ミニプラン9,600円/月、チームプラン24,000円/月、サクセスプラン48,000円/月 
 の4プランが記載されている。
Yoomの料金プラン(https://lp.yoom.fun/plan
Zapierの2025年6月時点の料金表。御左側には料金プラン、右側には日本円で契約した場合の金額が計算されている。スクリーンショット撮影時点では、2,923円/月で合計35,081円と示されている。
Zapierの料金プラン(https://zapier.com/pricing

気になる点はありますが、Yoomはユーザーの使いやすさがしっかり考えられた素敵なサービスだと感じました。

Yoomが気になっている方の参考になれば嬉しいです!

実際にYoomで作ったワークフロー

では、実際に私がYoomで作ったワークフローについて一部ご紹介します。

【業務向け】社内ミーティング議事録を要約してコミュニケーションツールに投稿する

neccoでは、社内ミーティングを行った後に、ミーティングのファシリテーターがハイライトを作成し、社内に向けてSlackへ投稿するというフローがありました。

現在は、社内でのワークフローの改善を行い、ハイライトの投稿は社内で廃止となり、残念ながら出番はなくなりました。実際に活用できませんでしたが、こちらでご紹介したいと思います。

下記のようなフローで作成しました。

  1. Notionのデータベースでページが更新されたらページの情報を取得(ステータスプロパティ)
  2. 受け取ったページ情報を元にページ内のコンテンツを取得(カスタムコネクト)
  3. AIを使って要約(ハイライト)を作成
  4. コミュニケーションツールにハイライトが投稿されるように設定する
設定したフローの画像。カスタムコネクトにはびっくりマークが表示されており、フリープランでは実行できないオペレーションであることが補足されている。
フローの全体像

1. Notionのデータベースでページが更新されたらページの情報を取得(ステータスプロパティ)

Notionのページが作成または更新されたタイミングをトリガーとして設定します。

連携アカウントとアクションの設定画面。アプリにはNotionを選択肢し、連携するアカウント情報が選択されている。トリガーアクションは「ページが作成または更新されたら」を選択している。
連携アカウント情報とトリガーアクションを選択する

トリガーの起動間隔を設定し、テストが無事成功することを確認してから設定を保存します。

トリガーの起動間隔を設定している。15分、30分、60分から選択することができる。
トリガーの起動間隔を設定したら保存

2. 受け取ったページ情報を元にページ内のコンテンツを取得

受け取ったページIDをもとに、コンテンツの詳細を取得します。カスタムコネクトで以下のように設定しました。

カスタムコネクトの設定画面。接続方法には「Get」、Content-Typeには「application/json」選択されている。リクエストURLにはNotionの対象ページが設定されており、リクエストヘッダーをカスタムするがONに設定されている。
カスタムコネクトの設定画面

※ カスタムコネクトを利用するには、チーム・サクセスプランへの登録が必要です。

3. AIを使って要約(ハイライト)を作成

AIの要約を作成します。AIモデルは用途に応じて選ぶことができます。

アクションを選択する画面。アクションにはGPT4o-miniが選択されている。アクションに選択するAIは用途によって変更可能。
AI要約を設定し、アクションフィールドでAIモデルを選択
選択できるAIの一覧が示されている。モデルはGPT4o-miniまたはGPT4oから選択し、要約する対象の文字数を選択しています。
用途に応じたAI・文字数を選択できます

要約の対象は②で取得した、コンテンツを選択します。

要約の対象となるテキストを選択している。
要約対象を選択

条件欄にはプロンプト(AIに対しての指示)を入力します。

要約するためのプロンプト(AIに対しての指示)を入力している。
条件欄にプロンプト(AIに対しての指示)を入力

テストすると下記のようなハイライトが作成されました。議事録の内容はダミーです。

AIの要約のテストが成功した画面。
テスト内容が意図したものになっているか確認🔍

4. コミュニケーションツールにハイライトが投稿されるように設定する

最後に、生成されたハイライトをDiscordに投稿します。

neccoでは、普段Slackを利用していますが、今回は個人の検証のためDiscordを利用しています。

Discordと連携し、アクション選択します。

連携アカウントとアクションを選択する画面。アプリは「Discord」、連携するアカウント情報、アクション「メッセージを送信」を選択している。
Discordと連携し、アクションを選択する
ハイライトを投稿するチャンネルIDを設定し、投稿するメッセージ内容を入力している。
投稿するチャンネルIDとメッセージ内容を選択

テストをクリックし、Discordにハイライトが投稿されたら設定完了です🎉

Discordにハイライトが投稿された画像

こちらの検証では一部、有料プランの加入が必要な機能もありましたが、フリープランであっても有料プランで利用できる機能をテストすることは可能なため、様々な方法を探ることができました。

フリープランでさまざまな機能を試してから有料化を検討するのも良いかと思います!

【個人向け】ライブの参戦履歴をNotionのデータベースに記録する

個人用にもワークフローを作成しました。

私は、ライブの参戦履歴をNotionのデータベースで管理しています。スマホで気軽に登録したいと思い、LINEでライブ情報を送信すると参戦履歴のデータベースに登録されるというワークフローを作成しました。

ライブの参戦履歴を管理しているNotionデータベースの画像
ライブ参戦履歴を管理しているデータベース

下記のようなフローで作成しました。

  1. LINE公式アカウントを作成し、公式LINEからライブ概要を送信する
  2. LINE公式から送信された内容を取得する
  3. 公式LINEに送信された内容から情報を抽出
  4. Notionのデータベースにページを追加
  5. 追加されたページのプロパティを更新する
  6. 公式LINEに完了メッセージと追加されたNotionのURLを送信
フローの全体像の画像。オペレーションが5つ以上に達しており、プランの変更の案内が表示されている
フローの全体像

1. LINE公式アカウントを作成し、公式LINEからライブ概要を送信する

スマホから登録を行いたいため、LINE公式アカウントを利用することにしました。

Yoom公式サイトのLINE公式アカウントの紹介ページ
https://lp.yoom.fun/apps/line

以前はLINE Notifyが利用できたようですが、2025年3月31日をもって提供終了しており、現在は通知を送る代替方法としてLINE公式アカウントが推奨されています。

関連:LINE公式アカウント

LINE公式アカウントは、主にビジネス用に利用されるため、サービスに合わせて様々な設定ができますが、今回は個人用として利用するため、複雑な設定は行いません。

LINE公式アカウントの開設ができたら、個人のアカウントから作成したLINE公式アカウント宛にライブの概要を送信します。今回は「公演タイトル/開催日/会場」を送信しました。

LINE公式宛に送信した様子。「JAPAN JAM 2025 20250505 千葉市曽我スポーツ公園」と送信されている。
LINE公式宛に送信したライブの概要

2. LINE公式から送信された内容を取得する

LINE公式へ送信された内容をYoomで取得します。

連携アカウントとアクションの選択画面。アプリには「LINE公式アカウント」、連携するアカウント情報、トリガーアクションには「ユーザーからメッセージを受け取ったら」を選択している。
LINE公式と連携する
アプリトリガーのWebhookイベント受信設定画面。設定方法の手順が示されている。
LINE公式に設定するWebhookURLが発行される

LINE公式の設定方法が提示されます。提示された手順に沿ってWebhookURLを設定します。設定画面への手順も表示されているため、あまり悩むことなく操作を進めることができました。

テストボタンをクリックして成功を確認します。

LINE公式に送信された情報を取得するテストを実施している。テストが成功している。
LINE公式から送信された内容を取得したテスト結果

3. LINE公式に送信された内容から情報を抽出

AIの「テキストからデータを抽出する」機能を利用して、LINE公式から送信された内容を抽出します。

LINE公式で受信した内容をもとにデータを抽出する設定画面。対象のテキストを「メッセージテキスト」、抽出したい項目に「会場名、公園タイトル、開催日」が入力されている。
テストを実行し、テストが成功している様子。会場名、公園タイトル、開催日がそれぞれ抽出されている。

4. Notionのデータベースにページを追加

Notionのデータベースにページを追加します。

Notionに接続し、アクションを「ページ作成」にするとページが追加できます。この時、Notionに追加するページのタイトルは、AIで抽出した「公演タイトル」とします。

Notionに連携するためのアクションを設定する画面。連携アプリには「Notion」、連携するアカウント情報、アクションには「ページを作成」が選択されている
 連携アカウントとアクションの設定画面
Notionに追加する内容の設定画面。タイトルやコンテンツを設定している。
Notionに追加するページタイトルとコンテンツ内容を選択

5. 追加されたページのプロパティを更新する

追加されたページのプロパティを更新します。

こちらもNotionに接続し、アクションを「ページのプロパティを更新(◯◯プロパティ)」にします。

Notionのプロパティ設定を追加する画面。アクションには「ページのプロパティを更新(日付プロパティ)」が選択されている
連携アカウントとアクションの設定画面

今回は、最低限の情報として開催日・会場名の更新のみとしました。テストが正常に動いたことを確認し、設定を保存します。

APIの接続画面。NotionのページID、更新する値などを設定している。

更新するプロパティを設定する画面

6. 公式LINEに完了メッセージと追加されたNotionのURLを送信

最後に、公式LINEにページが追加された旨のお知らせを送信して完成です🎉(公式LINEへのメッセージ送信は、長期トークンの入力が必要です)

LINEにNotionのページが追加されたことを知らせるメッセージを設定している。
送信するメッセージの設定画面

データベースへも無事追加されました🎉

Notionデータベースにページが追加されたことがわかるスクリーンショット。
データベースにページが追加🎉

さいごに

現在は、個人的な検証段階ではありますが、Yoomの使いやすさに感動しました!

APIの生成方法のドキュメントが用意されていたり、設定画面でAPIの生成ってどうやるの?と思った時にドキュメントへのリンクが添えられていたり、細かな気遣いは見習うものがありました。

社内では、Zapierを導入しているため、業務への導入には至っておりませんが、今後の業務活用も視野に入れ、より効率的な働き方を模索していきたいと思います!