佐藤 あゆみ
佐藤 あゆみ

necco Note

「いつでも仲間と話せる居場所」Teracy導入レビュー

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はじめに

neccoでは、日々のコミュニケーションにSlackを利用しています。しかしながら、東京と秋田に2つのオフィスを構え、さらにリモートワークのメンバーも在籍しているため、物理的な距離がある中で、より気軽に、まるで隣に仲間がいるような感覚で会話できる環境を求めて、バーチャルオフィスツールも併用してきました。

これまでは、NeWorkというツールを利用していたのですが、来年サービスを終了してしまうことになったため、新しいツールを探していました。そんな中で、neccoメンバーの夏井さんが見つけたのがTeracy(テラシー)でした。

Slackのスクリーンショット。「Teracy」について「おもしろい!気軽に会話できるのいいですね。」とコメントがついている
Slackの共有メッセージ

Teracyの基本機能

「ひらけば、仲間がそこに。」をコンセプトに開発された「Teracy」は、次世代のバーチャルオフィスアプリです。まるでオフィスに出社しているかのような「つながり」をオンラインで実現できるのが特徴で、執筆時点では無料で利用できます。

森の中の川辺にある丸い形のキャビンと椅子がある屋外シーンを背景に、複数の人物のアイコンと日本語のチャットメッセージが表示されたオンラインミーティングの画面。
Teracyなら、サウナだってオフィスにできちゃう!

MacもしくはWindowsにて、Teracyアプリをダウンロードしてログインするだけで、以下のような機能が利用できます。

ビデオミーティング機能

Google MeetやSlackのハドルのように、アプリ内の決まったルーム(場所)に集まってビデオミーティングや画面共有ができます。URLの共有が不要なので、「今から『ねこルーム』でミーティングしよう!」と気軽に集まれます。

オンラインミーティングの画面のスクリーンショット。中央にメインコンテンツがあり、下部にはミーティング参加者のアイコンが並んでいる。コンテンツには日本語の文章と展示会の写真が表示されている。
デザイナーのスタディー・ミーティングのようす

近くに集まって音声で話せる機能

自分のアイコンをドラッグして他の人に近づけると、その人と音声で会話できる仕組みです。

近くのアイコンの人にだけ、声が聞こえます

チャット(DM)機能

テキストでのDMチャットも可能ですが、neccoでは主にSlackを利用しているため、Teracyのチャット機能はほとんど使っていません。

チャットアプリの画面。左側にはユーザー名とメッセージのリストがあり、右側は薄暗い背景。下部にメッセージ入力欄がある。日本語のインターフェースで、ユーザー名や日付が表示されている。

背景のカスタマイズ機能

アプリの背景画像をプリセットから選んで変更できます。誰かが背景を変えると、全員の背景が変わる仕様です。

スペース背景選択画面。シティオフィス、京都、バリ、テラ、ドットキャンバス、グリッドキャンバスの6つの背景オプションが表示されている。左側にメニューバーがあり、その他の設定項目が表示されている。

Liveモードでのリアルタイムテキストチャット機能

ディスプレイ端にメンバーのアイコンが並び、吹き出しに自由にテキストを入力できます。Slackに投稿するほどでもない内容を気軽に共有でき、リアルタイムで反応しやすいのが魅力です。

PCの画面のスクリーンショット。縦に複数のプロフィール画像が並び、画像の右隣に、それぞれのメッセージが表示されている。

導入してみた感想

Teracyは、無料で導入でき、セットアップもインストールしてログインするだけと非常に簡単だったため、まずは一部メンバーで試験運用を開始。数日間試し、目立ったトラブルもなさそうだったことから、necco全体への導入を決めました。

良いと感じたところ

特に気に入ったのは、Liveモードでのリアルタイムチャットによる情報共有です。Slackのようにログが残らないため、ちょっとした呟きも気軽に投稿でき、入力状況がリアルタイムで分かるので反応もしやすいです。
メインウィンドウを閉じていても出社状況が分かり、会話が生まれやすい点もオフィスらしさを感じました。

また、メインウィンドウの背景画像を変えて、一緒に雰囲気を楽しめるのも、導入初期に盛り上がったポイントでした。

気になるところ

一方で、ミーティング時の音質やレスポンスの悪さが気になりました。体感で1秒ほどの遅延があり、誰かが一方的に話しているのを聞く分には気になりませんが、相互の会話がやや難しい場面も。また、メンバーによっては音が途切れることもあります。ZoomやGoogle Meetと比べると、なんらかの通信方式の違いが影響している印象です。

また、無料で導入できてとてもありがたいのですが、サービスの持続可能性が気になります。今後、プレミアムプランが登場予定とのことですが、費用がどれぐらいになるのかも気になりますね。

現状はベータ版のため、動作の不安定さも散見されました。

今後も使い続けるか

音質面の改善があれば、今後も長く使い続けたいと感じています。他ツールへの乗り換えを検討する際も、音質が大きな判断材料になりそうです。

機能リクエストを送った際には丁寧に対応していただき、運営の方々の姿勢にも好感を持っています。

まとめ

Teracyは、リモートワークやハイブリッドワーク環境での「気軽なつながり」や「オフィスらしさ」を取り戻すのに非常に有効なバーチャルオフィスツールです。セットアップの手軽さや無料で始められる点、Liveモードによるリアルタイムコミュニケーションのしやすさが大きな魅力でした。一方で、音質や安定性など今後の改善に期待する部分もあります。

リモートワークでのコミュニケーションに課題を感じているチームには、一度試してみる価値があるサービスだと感じました。

余談:ノーコードLPが気になる

余談ですが、Teracyはサービス開始時のLPがノーコードツールのStudioで構築されていたという点で記憶に残っていました(夏井さんが見つけてくれるまで忘れていました…)。それが、いつの間にか、別のノーコードツール、Framerに移行してました。気になったので調べたところ、それらの経緯も公開されていて、楽しく読ませてもらいました。ご興味おありの方はぜひ!

佐藤 あゆみ

佐藤 あゆみ

Ayumi Sato

ニューヨーク生まれ。まもなく東京に移住し、1994年から2年間のオーストラリアでの生活を経て、ふたたび東京へ戻り、今も暮らす。1997年頃より趣味としてWeb制作を始め、以後も独学で学ぶ。 音楽専門学校中退後、音楽活動での成功を夢見ながら、PCパーツショップやバイク輸出入会社、楽器店など、掛け持ち含めて計20以上(?)の業種でアルバイトを重ね、ECサイトの運営管理や自社サーバの管理、プログラミングなども学ぶ。音楽活動を展開する中で、集客やフライヤー制作、プロモーションビデオ制作を行い、周辺技術を身につけるきっかけとなるも、2011年頃に区切りをつけ、ウェブ制作で生計を立てることを決意。その後は画廊やウェブ制作会社などで勤め、2014〜2022年まではフリーランスとして活動。2018年より、CSS NiteやBAU-YAなどのイベント、スクールにて登壇。2019年、書籍『HTMLコーダー&ウェブ担当者のためのWebページ高速化超入門』(技術評論社)を出版。 2023年、書籍『ノーコードでつくるWebサイト』(MdN)出版。趣味はガジェットいじり&新しいサービスを試すこと。

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