夏井 ひとみ
夏井 ひとみ

necco note

こけし写真展を開催することになったので、写真をはじめたきっかけなどを書いてみました

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こんにちは。エディター・フォトグラファーの夏井です。
突然ですが、2020年早々にこけし写真展を開催することになりました。
「なぜこけし?」と頭にハテナが浮かぶ方が多いかと思いますので、こけしのことや写真をはじめたきっかけなどからお話していきます。

目次
1. こけし収集をはじめたきっかけ
2. こけし写真を撮るようになったきっかけ
3. こけし写真を撮る際のこだわり
4. 写真展について

1.こけし収集をはじめたきっかけ

私は宮城県仙台市で産声をあげ、36歳まで仙台で過ごしました。
東日本大震災のあった2011年3月11日も仙台にいて、沿岸部で取材をしていました。
幸い自宅も家族も無事だったのですが、あのとき体験した揺れの大きさや、窓ガラスが一斉に割れ落ちる音、沿岸部から中心地へと戻る道中の不安と恐怖、3月に降る雪の冷たさは、いまも忘れられません。

未曾有の大災害を経験したことで、日本人の多くが、日本独自のものづくりや古くからある伝統文化を見直す風潮へと変わってきたように思います。
私もそのひとりで、キラキラした華やかなものへの興味はすっかり消え、東北生まれのナチュラルで素朴な工芸品「こけし」に夢中になっていったのです。
それ以来、東北各地でおこなわれるイベントや工人さんの工房に足を運んではこけしを購入し、家に飾って眺めていました。
(工人さんとは、こけしをつくる職人さんのことです)

秋田に引っ越したのは2014年ですが、いまも細々とこけしの収集を続けています。

2.こけし写真を撮るようになったきっかけ

はじめの数年は収集がメインでしたが、次第に、購入したこけしの写真を撮るようになりました。

きっかけは2つあります。
まずひとつは、義父から一眼レフ「EOS Kiss digital X」を譲り受けたこと。数年間ほとんど使わずタンスに眠らせていたということで、タダで譲ってもらいました。
EOS Kiss digital Xといえば約1000万画素、メモリーカードはコンパクトフラッシュという古い機種ですが、入門機としてはじゅうぶんでした。
今はもう使っていませんが、なかなかいい味を出してくれるのでたまに使いたくなります。

もうひとつは、昔仙台で勤めていた会社の同僚の影響です。
フォトグラファーだった彼女から一眼レフの使い方を教わったのです。
そのとき「単焦点レンズ」なる便利なものがあると知り、「なにこれ明るい!」「ボケ感すごっ!」と感動。そこからどんどんハマっていきました。
当時のオフィスは古いビルをリノベーションしたおしゃれな職場だったため、こけしを置いて撮るだけでも絵になりました。

本格的にのめりこんでいったのは、秋田に来てからです。
花や緑、海や山などの自然がごく身近にあるため、屋外で撮ることが多くなりました。

撮影した写真は、おもにInstagramに投稿しています。こけし好きのフォロワーさんからの反応がよかったこともあり、いまでも長く続けることができています。

それから、こけし写真を撮り続ける大事な理由がひとつあります。
「素朴でかわいらしいこけしをもっと全国の人に知ってもらい、ファンを増やし、工人を目指す若者を増やしたい」そんな思いが強かったんですよね。
じゃあ自分にできることってなんだろう?と考えたときに、「発信しかない!」と、謎の使命感みたいなものがわいてきちゃったんです。

その思いが届いたのかどうかわかりませんが、以前書いていたこけしブログを見た秋田のテレビ局から「取材させてほしい」と連絡がきて、夕方のニュース番組に出演しました。当時はものすごく恥ずかしかったのですが、いまではいい思い出です。

3.こけし写真を撮る際のこだわり

魅力をひきだす角度

こけしも人間と同じように、“格段にかわいく見えるアングル”があります。
「じゃあどうしたらいいの?」と聞かれると言語化するのが難しいのですが、どちらかというと正面よりも斜めのほうがいいかなと思っています。
花と一緒に撮るなら“花を見て微笑んでいる”、こけしが2本なら“ふたりで談笑している”など、設定を決めると角度をつけやすいです。

どれが正解というわけではないのですが、さまざまな角度から撮ってみると「これだ!」と思えるアングルが見つかりますので試してみてください。
(私は誰にアドバイスしてしまったんでしょうか)

余白がストーリーをつくり出す

撮影の際は「余白」を大切にしています。
デザイナーの原研哉さんが“余白のあるデザイン”について書籍や講演などで話されていますが、写真にも同じことが言えるのではないかと思います。

何もない空間にインスピレーションが生まれ、見る人それぞれのストーリーができあがる。

この子は何を見ているのかな?
とか

さみしいのかな?
とか

海の向こうに何があるのかな?
とか。

少々メルヘンになってしまいましたが、意外とちゃんと考えながら撮っているんです(笑)。

4.写真展について

こけし写真展についての概要は下記となります。

開催期間:2020年1月19日〜3月28日
開催場所:みやぎ蔵王こけし館
※入場無料

そもそもどうして開催することになったかというと、昔働いていた会社の上司が、現在みやぎ蔵王こけし館に勤めているということで声をかけていただきました。
1月〜3月は閑散期のため、展示する団体が少ないことも理由だそうです。

正直、お話をいただいたときはかなり迷いました。
私はこれまで趣味で写真を撮っていましたが、仕事で撮りはじめたのはneccoに入社してから。まだまだフォトグラファーとしては駆け出しです。
しかも、いまはSNS全盛期。私なんかより上手にこけしの写真を撮ってアップされている方はわんさかいらっしゃいます。
そんな自分が写真展を開くなんていいんだろうか…と数日悩みましたが、せっかくのチャンスなので挑戦してみることにしました。

期間中は写真のほかに私物こけしも展示する予定です。
こけし館の担当者さんからは「ナツイヒトミワールドを好きなだけ展開してください」と言ってもらえたので、少々マニアックに攻めてみようかなと考えております。

真冬の宮城蔵王・遠刈田はめちゃくちゃ寒いですが、スキー旅行や温泉旅行のついでにぜひお立ち寄りください。

というわけで、これが私にとって今年最後のnecco noteになります。
2019年も大変お世話になりました。
みなさま良いお年をお迎えください!


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夏井 ひとみ

夏井 ひとみ

Hitomi Natsui

宮城県生まれ。 大学卒業後、仙台の広告代理店にて週刊フリーペーパーの取材・編集・ライティング、企業のイベント企画・プロモーション提案などに従事。その後、住宅会社の広報スタッフを経て2014年に秋田県へ。ウェブサイト、パンフレット、商品パッケージデザインなど、さまざまな制作物におけるディレクション・編集・取材・ライティングを幅広く経験。 2017年よりneccoに参画。好きなものはガンダム、花、鳥、写真、歌うこと。似ているキャラクターはニコロビン、メーテル、エボシ御前。こけしにも似ている。

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