necco Note
アシスタントデザイナー2年目の挑戦 〜とあるスナック菓子メーカーを想定したポテトチップスのパッケージデザイン課題〜
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デザイン課題に挑戦するまで
neccoでアシスタントデザイナーをしている中川です。
実力をつけるため、会社でデザインの課題を定期的に出してもらっています。今回は、アシスタントデザイナー2年目に挑戦した、とあるスナック菓子メーカーを想定したポテトチップスのパッケージデザイン課題に取り組んだ記録を記していきます。
実際にあるスナック菓子メーカーをクライアントとして設定したので、資料や文章中の会社名を伏せて○○製菓と表記してます、ご了承くださいませ。(何か不都合あれば記事を取り下げます。)
本当はインターンの時に、この課題が入社試験の扱いだったのですが当時実力不足によりまったく進められず、課題のレベルを落としてロゴのトレースやチラシ作成などから取り組んできました。
1年目の終わりに課題のチラシ2つ目を作り終えて、この課題に再びチャレンジすることに!
考えていただいた課題の概要は以下の通りです。
課題概要
■課題
KOIKEYA PRIDE POTATOに対抗するポテトチップスを わさび味のポテチを主力製品に持つ○○製菓が発売すると仮定します。 価格はKOIKEYA PRIDE POTATOの価格と同価格の商品展開をしてKOIKEYA PRIDE POTATO売上シェア奪い現在の売上を来年度中に1.4倍にしたいと考えています。(現実のデータではなく仮です。) http://koikeya-pridepotato.jp/■成果物
1.商品のネーミングを考えそのロゴとパッケージ、ブランドのウェブサイト(LP1ページ)をデザインしてください。
2.その商品のプロモーションを含め10分間のプレゼンテーションをしてください。
*課題はプレゼンテーションをしていただいた後に提出していただきます。・LP課題の提出はFigmaプロトタイプでお願いします。パッケージは実物の制作は必要ありません。 ○○製菓にプレゼンをして採用してもらうことを想定してください。 マーケティング、ブランディングの観点を含めた資料を作成しプレゼンテーションをしてください。
*課題意図
neccoはお客さまの事業、会社の価値、利益、信頼を高めたいと思っています。そのためにはブランドから考えること、お客さまのビジネスの根本から考えることが必要となります。またその視点をもったデザイナーと日々切磋琢磨していくことを希望しています。そのための課題となります。*評価箇所
1.制作物のデザインクオリティ
2.案件獲得、○○製菓の役員を説得可能なプレゼンテーション
3.プレゼンテーションの内容とデザインクオリティ
すごい面白そう!!!と自分でつくりきれるかな?という不安の気持ち、半分半分でした。
今までの課題ではチラシなどの単体でしかつくっていなかったため、全ての製作物を通してお客様に良い提案をできるように頑張ろう!と思いました。
全体スケジュール(仮)
当初考えたスケジュールが以下になります。
1月:課題調査、コンセプト決め(2週間)
2月:ロゴ作成(2週間)、パッケージ作成(2週間)
3月:LP作成(2週間)、提案資料作成(1週間)
もちろんこんなにスムーズに進められるはずもなく、スケジュールはこの後無事破綻します。
当初の予定だと2021年の3月には終わってるはずが9月になっていました…。
課題の進め方
下記は進捗内容とやったことをNotionにメモしてたものの一部です!
こんな感じで毎週やったことや次の課題をみえるように書き残していました。
最初の頃は毎週進捗報告をしていたのですが、ただ調べたことの報告作業になってしまってしまい、反省。 今回やったこと、どんなフィードバックが欲しいか、次回やることの3つの軸で報告するように変えていきました。
他社調査から得た商品づくりの軸
最初の頃は、ポテトチップスの市場のシェア率や他社の商品の特徴や方向性から○○製菓さんの立ち位置を見直し、どんな商品をつくろうか考えていました。
ポテチのルーツを調べたり、お菓子業界のブランディング事例、他社の商品のプレスリリースなどを読み漁っていたところ、あることに気付きます。
競合であるカルビーさん、湖池屋さんはたくさんの商品を産んでいますが、調べていくと会社ごとの特徴や強みを活かした商品づくりをしていることが分かりました。例えば湖池屋だと、ポテトチップス最古の会社であり、老舗のメーカーの技術力を活かしつつ、新しいスナック菓子を創出していることが分かりました。
商品ごとのプレスリリースを読んでいくことで、それぞれの商品がどういう想いでつくられたのか分かることに気づきました。また、理念やテーマを理解した上でそれらを読んでいくと、その企業のつくりたいものや消費者の方に届けたいものが根底にあることに気付きました。
2020年11月にリニューアルした「ムーチョ」ブランドは、「溜め込まず、発散しよう」と呼びかける『ムーチョしようぜ。』を合言葉とともに、新時代を元気にするプロモーションを展開しています。
「いつでも、どこでも、ムーチョしようぜ。いつでもチャック スティックカラムーチョ 新発売」| PR TIMES
例えば、カラムーチョは新時代を元気にする!というコンセプトがあり、湖池屋さんの”食と暮らしを豊かにする”という理念の中で『ストレス解消』というものを体現するお菓子になっています。また辛味カテゴリーという新しいスナックのカテゴリーも提案しています。
一方カルビーさんは、美味さと楽しさで人を幸せにしたいという理念のもと、じゃがいもの加工や素材にこだわった商品づくりをこころがけていることが分かりました。
- 企業理念「企業理念 | Calbee」
- 提供価値「カルビー マーケティング本部長・松本知之インタビュー「小さなイノベーションの積み重ねが国民的ロングセラーへの道 | Marketing Native」
カルビーの加工技術や自然の素材を活かして、芋の厚みや食感にこだわった商品を多く出してることに気付きました…!
調査から得た気づきから、ポテチのコンセプト決め
色々と調査をしたことから、○○製菓さんならではの強みやコンセプトが、商品を通して伝わりづらいのではないか…と考えました。歴史のある会社だし、熾烈なお菓子業界の中でずっと生き残り続けている「わさびポテチ」という主力製品もあるからその理由や強みがどこかにあるはずです。
万人ウケする商品は最初から狙わない。むしろ、大手の企画会議ではボツになってしまうようなとんがった商品を、あえて出す。それが業界3位以下が生き残るための戦略。『おいしい』より『楽しい』がモットー。
○○製菓社長インタビューより抜粋
インタビュー内で、社長が他が出さないとんがった商品を出すのが特徴だとおっしゃっていました。ただ、ニッチな味のポテチは意外と大手の競合も出していたりします。変わった味を出すだけでは、一時的なものになってしまうし、定着もしない。○○製菓のお菓子作りを体現するような商品を出すことが必要だと気づきました。
主力製品や社長の思いから考えたコンセプト等が以下になります。
味やコンセプトを端的に説明するに当たって、プレスリリース文も一緒に考えてみました。言葉を考えていくと、商品のコンセプトや他社との差別化、デザインの方向性の手がかりにもなっていきます。
コンセプト
「ハッとときめく心地良い刺激」 コロナ禍で当たり前だった日常が大きく変わり、今までの価値観を見直す機会が増えました。
家にいる機会が増えて、刺激が減った日々。前の日常を思い返すと、日々の何気ない刺激が気分転換やストレス発散になっていたかも!
○○製菓も自分たちやポテトチップスという当たり前を見直してみました。
今までは、ニッチで他と被らないフレーバーを意識していたけど、他社も変わったフレーバーや挑戦した商品を出している。今までの軸だけでは商品を今後展開していけない。時代に合わせた、新しい軸が必要。
そこで、「わさびポテチ」というロングセラー看板商品について見直してみます。「わさびポテチ」の刺激って、クセになる美味しさ。心地よいピリッとした刺激。いわゆる定番の、のり塩やコンソメのような味ではないけど食べたくなる味。
○○製菓のお菓子の心地良い刺激で、生活を楽しんで欲しい。
「ハッとときめく心地良い刺激」をコンセプトに、お客様にお菓子で楽しい癒やしの時間をお届けします。
プレスリリース文
わさびポテチを定番商品に持つ○○製菓が、新商品「ビートポテト」を発売。「ハッとときめく心地良い刺激」がコンセプトで、心地良い刺激と旨味が口の中で踊ります。
味は柚子ペッパー、わさび山椒、黒酢レモンの3種類を展開。ピリッとした刺激の後に広がるじんわりとくる旨味が癖になること間違いなし。日常に楽しさと癒やしをもたらす、○○製菓のニュースタンダードポテトチップスになります。
ネーミング策定
上の資料に名前がすでに出ていたのですが、こんな感じでネーミングの候補を出しました。既存商品の名前の良さや売れた理由を分解し、覚えやすく、口に出したくなるような響きをイメージして案出しをしていました。(覚えやすく、食べた時の想像ができるような名前がいいね、と会社の先輩たちに名前を考える際の大事なことを教えてもらいました。)
ロゴ作成
以上のコンセプトから、ロゴのポイントは下記をイメージしよう!思っていました。
- 新しい王道感
- 中価格帯¥150程度を想定
- 心地良い刺激を届ける
今まで〇〇製菓になかった新しい王道・看板となる商品をつくりたいと思っているので、ポテトチップスパッケージの王道感は欲しい。そして定番商品にしたいため、中価格帯を意識。(高級感は出さない)そして商品のコンセプトとなる、”心地良い刺激を届ける”が伝わるロゴにしたいなと思いました。
キーワード
幾何学、勢い、視認性良く、安定感、少しの緊張感、ピリッ、ドキッ、ハッとする、変化、上昇、鼓動
上記のポイントを踏まえたロゴのラフ案です。
もう少し方向性を定めるために、ロゴのイメージボードを作成してみました。
イメージボードに合わせてフォントを打ってみたり作字してみることで、方向性を模索していました。作字したやつがしっくりきたので、つくりこんでいきます!
形やバランスを検証しながら調整していきます。
まだ完成はしてないのですが、パッケージに入れつつロゴはブラッシュアップしていくことにしました。
また、既存のポテトチップスの王道やロゴのらしさを掴むために、色々なロゴを観察したり簡単に模写してみたことも。手を動かしてじっくり観察して言語化してみると、色々な気づきがあって楽しかったです。ここで得たらしさをこの後ロゴに反映させていきました。
パッケージ作成!に取り掛かるも上手くいかずモヤモヤ
ロゴの方向性が見えてきたのでブラッシュアップを進めつつ、パッケージに取り掛かります。初めてのパッケージデザイン…!
お店で何度もポテトチップスのパッケージを見て、やっぱり直感で美味しそう!と思ってもらえるビジュアルやシズル感、味や食感の情報はとても大事だと思いました。
最初に仮で作成したパッケージ案です。これを最初に見せた時、アイデアレベルのもので正直レビューしづらい…と言われました。見た目の要素だけに囚われているし、必要な要素も入れられていない。まずは王道らしいパッケージを観察して必要な要素を入れてつくってみよう、と言われました。出しているパッケージのパターン数も少ないし、見た目のインパクト勝負みたいなアイデア出しになってしまっていました。 反省を受けて、この商品を通して伝えたいことを具体的に落とし込んでいき、パッケージ案を再考していきます。
自分なりにコンセプトの内容を分解して、そこからポテチの素材の使い方を考えたり、足りていなかったフレーバー名や味の要素やキャッチコピーを入れ込んで作成したものがこちらです。何となく全体の方向性が見えてきたので、ここからつくりこんでいくことに!言葉やコピーや要素を入れていくと、デザインに落とし込んでいきやすくなりました。
王道感のあるポテチのロゴをまずは目指し、太い・視認性が良い・安定感をイメージしました。
王道感がありつつも、斜めのカットでピリッとした刺激、角丸で旨味を伝えることを意識しました。
ロゴは出来てきたものの、パッケージをつくり込んでいく段階になったのですが中々思う様なものがつくれず停滞期に入ります…(2ヶ月くらい放置してしまいました。)
パッケージのラフ案たち。
色々試行錯誤してましたが、思いつきのような案からつくりこみに踏み出せるような引っ掛かりのあるものがつくれず、停滞していました。
すべてを捨てる!そして、新しくつくる
納得するものがつくれず、進捗を報告できない…進まない…みたいな状態になってしまいました。(空白の期間が2ヶ月くらいあった気がします…)それを先輩たちに相談していたときに、ロゴが自分の想像しているパッケージと合わないからつくりづらいんじゃないかな?とアドバイスを受けました。 王道のポテトチップスらしさに囚われてしまって、自分のつくりたいパッケージの方向性と確かに合ってないかもしれない…もっと、心躍る刺激を伝えたり、食べて楽しくなるイメージに合わせたロゴをつくりたい!と思うように。
先輩たちにアドバイスをもらっているうちに、だんだんイメージが湧いてきました。
- ビートポテト→ビートを押した案
- ビートをBEAT表記に変えてみる
- ビートがカタカナ、ポテトが英語などの組み合わせ
上記のアイデアから、簡単にイメージを起こしてみました。
ただ文字をおいただけですが、自分の中で何となく楽しい方向性が見えてきました。心地よさや刺激をもっと伝えられそう…!
上記のロゴを見せた時に先輩たちに言われた、ロゴをつくる際の考えるポイントが以下のものでした。
- アイコン的な意味があるもの
- 替えが効かない
- 遠くでもどこでも思い出せるもの
- パッケージがロゴを補填するもの
- 特徴を絞って押し出す
- ポテトチップス、ビート感、酸っぱい、リズム、刺激の特徴をロゴに閉じ込める
- 複雑になりすぎない
難しいですが、どれも大事な要素です。これらのポイントを意識しながら、ラフで軽く案出ししていきます。
早く形にしたい!とラフ案もそこそこにイメージを起こしていきます。
ただのベタ打ちだとつまらないな…と思って何となくつけてみた三角のトンガリがなんだかしっくりきて、このロゴでブラッシュアップしていくことに!
新しいロゴから、パッケージ案の作成
新しくしたロゴに引っ張られるように、以前とは違う方向性のパッケージ案をどんどん出していけるようになりました。
心躍る刺激を、音や波などのモチーフで表現していきました。 また、”心躍る”なのでハートをイメージしたピンクも、今までのポテチのパッケージにはあまり使われてない色なので目を引きそうと思いメインカラーに使用していくことに。
ロゴ検討中のもの。
ロゴを検証してブラッシュアップしていきつつ、背景の表現を探っていきます。 音をいろんな形で表現する案が、パッケージ全体を複雑にしすぎず、イメージを上手く伝えられそうなのでその案で進めていくことに。パッケージのデザインをもっと詰められるレビューを出してもらえるところまで来ました!長かった!!
この時いただいたレビューが以下の点です。
- ポテチの影の領域多い
- ロゴの幅が広い→もうちょっと狭くする
- ロゴが読めるようにふりがながあると良い
- 主力商品にしたいパッケージということを忘れずに
- 人に覚えてもらえる要素→読める
- コピーをひらく、ルビを漢字にふる(しげき)
- ジュワッと黒酢レモンみたいな、擬音やシズル感やストーリーが欲しい
- リズム感を言葉でも表現して欲しい
- フレーバー名をつくりこんでほしい
クオリティを上げるために、細かい要素を全体のイメージに合わせてつくりこんでいきます。
読んだ時に、美味しそう!と思ってもらえるように、フレーバーやコピーの部分をテキストを考えつつ作りこんでいきます。 この時に明朝体を多く使用していたのですが、ロゴと雰囲気が合っていないかもというフィードバックをいただいたので、別の方向性でつくっていきます。
細部をつくりこんでいくと段々完成形が見えてきました! パッケージとロゴができたら、次はLPサイトを作成し、プレゼンテーションの準備に取り掛かります。
LPサイトづくりへ
LPをつくるうえでの概要を簡単にまとめたのが下記です。
概要
リブランディングした〇〇製菓のポテチ「ビートポテト」のLPサイト。
新商品の魅力と、〇〇製菓の新たな印象をサイトを通して伝える。ニュースを見て新商品を知った人や、店頭で見て気になった人が見ることを想定している。
ターゲット
- 〇〇製菓や商品のことを知っていて好きな人
- パンチの効いた商品が好きな人
- 新商品に興味がある人
- ポテトチップスをよく買う10代〜30代
サイトのゴール
- 今までの〇〇製菓の「わさびポテチ」一強のイメージをいい方向に変える
- 「心地良い刺激」を軸にしたブランドのイメージにしたい
- 変わり種・パンチのある商品→心地良い刺激、という方向性にシフトする
- イメージを一新するのではなく、良いところを残して洗練させる
デザインの方向性
▼優先するイメージ
〇〇製菓の親しみやすさ、王道(尖りすぎない)、トレンドを入れる、
心地よさ→曲線、メリハリ、要素を減らして特徴付ける
▼優先しないイメージ
おしゃれ・先進的すぎる、イケイケ、
上記の概要をもとに、テキストを考えて必要な要素を置いていきます。
ワイヤーをもとにつくりこんだサイトがこちらになります!
情報設計やブラッシュアップを全然出来なかったので、悔いは色々と残っています…。
そしてプレゼンテーション
ここまでやった内容をまとめていきます!私の時間管理がおかしくて、徹夜して発表当日の朝からこの資料をつくっていました…反省…。 事実とデータを提示する、証拠と主張を繋げる論理、伝えたいメッセージの3つのポイントを意識して以下の構成を作成しました。
プレゼンテーションの構成
- 課題の概要→KOIKEYAに対抗した高価格商品を作成
- 市場分析(事実とデータ)→ポテチ業界のシェア率
- 自社分析(事実とデータ)→○○製菓の商品の現状、イメージ
- 競合分析(事実とデータ)→他社
- 現在必要な商品→新しい商品に必要なこと(価格帯、商品意義、伝えること、○○製菓自身の強み)
- ビートポテトの提案→商品概要、ロゴ、色
- ○○製菓の市場での立ち位置、商品の位置の変化
- 商品発売後→コーポレートサイトリニューアルの提案
- 今回の反省点
- 課題
完成したプレゼンテーションは以下になります。
以上がプレゼンテーションになります!
みんなからのフィードバック内容
プレゼンテーションを踏まえて、会社のみんなからいただいたフィードバックが以下になります!
全体の総評
ビジュアルづくりすごくこだわって頑張ってたのが伝わってきた🎉
チルいポテチ?今までの○○製菓のイメージがかわる感じで新鮮だった。
良かった点
- 競合他社をよくリサーチしている。
- フレーバーのコンセプト・ストーリーづくりがよかった。
- パッと目を引くビジュアルづくりがよかった(オフィシャル感がある◎)
- 他社製品との並びよかった!陳列イメージが湧く!
ひと押しな点
- 味とビジュアルへの比重が大きかったかな?
- ○○製菓の社運をかけた商品となるような立ち位置としての説得力が少し弱かった。 これまでと同じ単発商品としての印象にならないかな?
- 食感やパッケージへの言及が少なかった? →「心躍る」コンセプトをそこからもっと演出できればよかった。 →形状・パッケージからコンセプト含めてこだわれたらもっとGood👍
- ターゲット設定もっと知りたかった!
- ブランドとしての今後の展開(味など)をもっと見たかった!
- ○○製菓のコンセプトがないなら作って提案した方がよかった
- お客様へ提案する気持ちで!
LPサイトについて
- BEAT POTATOのブランド感がしっかり出ててよかった
- もっと気になる・テンション高めのキャッチーな文言がほしかったかも!
スライドについて
- もっと世界観つくったほうがGood!
- デザイン&わかりやすいスライドづくりもっと頑張ろう!
- 調査ももうひと押しボリューム感を出してまとめられたらよかった。
- よく調べてるしビジュアルに力を入れただけにもったいない。
すぐに改善できそうなところ
- ブランドフォントのブレ
- ジャンプ率をもっとつける
- 一言で説明できる見出しを入れる
色んな視点でフィードバックしていただきました!
全体の総評に加えて、阿部さんにも全体の採点していただいたのでそちらも掲載します。
プレゼン:20/100点
- neccoとして出せるクオリティが100だとしたら、今回は20
- ブランドのデザインアセットを提供する会社が提案してることを意識してつくってほしかった
ロゴデザイン:60/100点
- ブラッシュアップできる土台には乗ってる
- 曲線がシンプルに美しくない。根拠が弱い。哲学が弱い。
パッケージ:70/100点
- 最終案になるまでたくさん考えて改善を繰り返すことができていたのがよかった
- 色、レイアウト、リズム感、ジャンプ率はすごく良い
- 作り込み、0.1mmへの強い執念みたいなものが少し薄かった
- 初期の段階から今、陳列されてるパッケージをもっと注視できると最終案がもっと良くなったと思うので初期の段階で今、売れているものをもっと観察すると良さそう
LPサイト:15/100点
- パッケージから展開してなんとかつくった感じ
- もっと時間と知見をいれればもうちょっとできた感じがする。少し残念だった。
- これまでの知見をもっと活かせたはず
○○製菓の社長だったら採用するかどうか:採用は難しい
- やろうとしてることはいいと思うが、説得力が低かった
- ○○製菓のことをもっと知りたかった
- このプレゼン資料からではお客さまが買ってるイメージができない。
- 店頭にあるイメージのモックを作るなど
- ただデザイン、ロゴができました。ではお客さまに買ってもらえるイメージがしにくい。売り場で戦うイメージがしにくい。
- お客さまのことをもっと考えているというプレゼンがほしかった
- ○○製菓を落とす話はしないほうがいい。
- 何十年もかけて商品展開をしているから、お客さまを否定しない。
- お客さまのビジネスに寄りそうように、「こういう商品をつくれば、ブランドにとって価値のあることがひとつできると思う、未来がよくなると思う(私たちがいれば)」
- スライドもったいなかった。
- つくった内容はすごくよかった。
- 考えたことはよかったから、相手へ共感させる見せ方、伝え方ができてなかった。
- 基本的にやれる範囲の部分はとてもよく頑張った!
全体の反省
”提案する”という意味
まず、会社に新しい商品を提案する、という意味や立ち位置をきちんと理解できていなかったな、とプレゼンした後に自分で実感しました。
他社の調査内容から得た気づきを多く話してしまい、提案する会社自体の調査内容の方が少なくなってしまいました。ネットで得られる情報は少なかったものの、そこをカバーするべく相談した方が良かったな、と思いました。 また、調査して自分が分からなかった部分から、強みがないなどと表現してしまった点はだめだったなと。歴史のある会社さんがここまで残り、ヒット商品も出してる裏にはきっと色々な創意工夫や想いがあるよね、と。 自分がもしプレゼンされる側だったら、自分の会社ではなく他社の調査内容ばかり話されたら、不安に思うな、と反省しました。 商品を提案する上で信頼していただく、というのはすごい大事な要素だということを忘れていました。自分の良いアイデアを見て!と押し付けがましくするのは全然違いますよね。歩み寄って、一緒にいいものをつくりあげていくという姿勢を忘れない様にしたいなと思いました。
スケジュールを守れなかったこと
スケジュールは本当に一番の課題です。ブログの文章量からも分かる通り、ポテチのパッケージに時間をかけすぎて、プレゼン資料やLPサイトのデザインが大分おざなりになってしまいました…(プレゼン資料は徹夜して発表の朝から焦りながらつくっていました…)初めてのパッケージデザインなので納得するレベルまでつくりたい気持ちはありましたが、時間配分が本当に下手くそでした。 ポテチのパッケージが中々思う様に進まず、2ヶ月ほど手をつけていない時期も実はありました。止まってしまう時、ちゃんと前に進める行動や相談を出来るようにしたいです。 本当のお仕事だったらスケジュールを守れないことは許されないので、自分の中でもぜったいに頑張りたいポイントです。
商品のターゲットがぼやけていた
商品自体への反省ですが、コンセプトやつくりたいものが先行しがちで、ターゲットがぼんやりしてしまいました。当たり前ですけど、色々考えてつくっても、お客様が欲しい!とまず思ってくれないと意味がないんですよね。もう少し訴求ポイントを明確にして、ターゲットを絞る必要があったなと反省しました。
俯瞰する視点
調べ物からアイデアを思いついたり、こんなパッケージをつくりたいというものをつくってる時は楽しいのですが、局所的な部分にこだわったり時間をかけすぎてしまう癖があるので、もっと俯瞰的にみて、全体のレベルを底上げするために今自分は何をするべきか…みたいな視点を持って取り組める様になりたいです!
色んな方向性で形にする
色んな方向性である程度のクオリティで形にするようにすることが自分のなかの課題です。手が遅いのと、らしさをもっと観察したり言語化して表現できるようにしていきたいです。
想像力
店頭に商品が並んでいるところ、お客さんが実際に購入するところ、それによって会社にどんなイメージをもたらすのか、既存商品とのバランスなど、具体的なところへの想像や提案ができていなかったなと思います。もっと想像力を働かせて、自分が提案される側だったら気にするところへの視点を持つ必要があったなと思いました。
最後に
時間をとっていただき何度もフィードバックやレビューをいただけたこと、また期限に間に合わせられなかったにも関わらず、最後までみていただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです。フィードバックを受けることで、毎回新しい気づきがあり、もっと良くする可能性を見つけていけて嬉しかったです。
最初は全部自分でできるか不安でしたが、何とか形にできて本当に良かったです。会社の色んな人に見守ってもらえたからこそ、つくりきることが出来たと思います。
スケジュール引き伸ばしてしまったにも関わらず思うようにつくれなかったものも色々あり、悔しい箇所もたくさんあるのですが、それも含めていい学びになりました! すごく難しくて、たくさん悩んで挑戦して、思いっきり失敗したからこそ得られた経験があったと思います。
プレゼンした後会社のみんなにたくさんフィードバックしてもらって、うわぁ〜言われてみたら確かにそうだ!ここあんまり手をつけられてなかったのバレますよね!何でここもっとできなかったんだろ〜悔しい〜〜。みたいな気持ちでいっぱいでした…笑 プレゼンして数日経たないとフィードバックのNotionを冷静にみることができませんでした。(後でじっくり読ませていただきました。)
でもこうしてブログでやったことを振り返ってみたら、自分意外と頑張ってたな、みたいに思えるところも出てきたので良かったです。
今回の課題の意図として、つくる力をつけること、そしてお客様のためになる提案をすることの二つがメインかなと自分なりに解釈していました。
お客さん自身の事業を良くするための提案ができたかと言うと、正直悔いが残るとこは多々あります。でも、この経験で得た視点を今後の仕事に活かして頑張っていきたいなと思います。
初めて挑戦することって、だいたい上手くいかない。でも、回数を重ねてくると少しずつ見えてくるものやできることが増えていくので、1年目よりも楽しんで挑戦することが出来るようになったのは2年目の収穫でした!3年目、もっと力をつけてお客様の力になれるデザインをつくっていけるように頑張ります!
(いつかお菓子のパッケージのお仕事できたら嬉しいな…!)
引用文献リスト
- 企業理念 | 株式会社湖池屋
- 湖池屋プレスリリース”食で暮らしを豊かに。湖池屋の高付加価値商品が好調。コロナ禍での生活変化に対応” | 株式会社湖池屋
- 「いつでも、どこでも、ムーチョしようぜ。いつでもチャック スティックカラムーチョ 新発売」| PR TIMES
- 企業理念 | Calbee
- カルビー マーケティング本部長・松本知之インタビュー「小さなイノベーションの積み重ねが国民的ロングセラーへの道 | Marketing Native
- 「わさビーフ」社長が語る、普通の味のポテチを作らない理由 | DIAMOND online
課題制作にあたって、さまざまな企業のパッケージやプレスリリースを参考にさせていただきました。ありがとうございました!
📮 お仕事のご依頼やご相談、お待ちしております。
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(2024年11月時点)
中川 小雪
Koyuki Nakagawa
神奈川県生まれ。三兄弟の末っ子。中央大学で社会学を学び、2019年10月からneccoでインターンを始める。 2020年4月にアシスタントデザイナーとして入社。一人前のデザイナー目指して修行中。 好きなものはアイドル、可愛いもの、可愛い人、ご飯、布団、こたつ、小説、旅行。好きな食べ物は、小籠包、餃子、牛乳寒天、ちくわぶ。早起きが人生の課題。