necco note
秋田人形道祖神グッズのパッケージデザイン制作秘話
- Brand Design
- Graphic Design
こんにちは!デザイナーの今です。
neccoでは、秋田人形道祖神プロジェクト(ANP)のウェブサイト(メディアECサイト)やグッズ・パッケージデザイン、撮影などを担当しています。
今回はこれまでに作った道祖神グッズと、角川武蔵野ミュージアムのショップでも販売されたグッズのパッケージデザイン制作の裏側についてお話していきたいと思います!
秋田人形道祖神の魅力をどのようにパッケージデザインで伝えられるか、試行錯誤した様子をまとめていきます。
秋田人形道祖神プロジェクトとは?
秋田人形道祖神プロジェクト(ANP)とは、郷土史研究家の小松和彦さんとイラストレーターの宮原葉月さんが秋田にある人形道祖神について取材やブログの執筆、書籍の作成、グッズ作成などを行ってるプロジェクトです。
neccoが制作したパッケージデザイン
neccoではブックデザイン以外のウェブサイトや複数のグッズデザインを担当させていただきました。
- アクリルキーホルダーパッケージ
- 商品タグ(Tシャツ・トートバック用)
- サンダワラパッケージ
上記グッズデザインの撮影もneccoで担当しました。
フルサイズミラーレスカメラ「α7III」がわたしに教えてくれたこと | BtoBブランディング・デザイン・ウェブサイト制作会社 | 株式会社necco | necco inc.
デザインを担当することになった経緯
秋田人形道祖神プロジェクトのウェブサイト制作をきっかけに、Tシャツのデザインにはじまり今回の新作グッズのデザインも担当させていただくことになりました!
先行して販売されていたTシャツのデザインを担当していたこともあり、 今回角川武蔵野ミュージアムでの展示に向けた新商品パッケージデザインのご相談を宮原さんからいただき制作がスタートしました。
デザインコンセプトをまとめていく
全体的なデザインについてneccoのクリエイティブ・ディレクターの阿部とブレストしていくうちに、キーワードと軸が見えてきました。
「道祖神はこれからどうなるか?」「ANPはどんな風に道祖神を伝えていくか?」道祖神プロジェクトの未来を想像しながら、阿部と一緒にデザインの方向性・軸を固めました。
道祖神プロジェクトの目指す未来
- 未来に道祖神を伝え、残していきたい
- 道祖神を現地に見に来てくれる人を増やしたい
- アートが好きな方たちに響くようなデザインにして、ミュージアムショップや他ストアなどにも展開してもらえるようにする
- 地方だけ東京だけの枠組みにとらわれず、海外のミュージアムショップでも勝負できるパッケージデザインにする
デザイントーンの設定
目指す未来を実現するために、まずは全体的なデザインのトーンを決めることに。
歴史あるテーマを幅広い層の方に興味を持ってもらえるよう、先進性かつ温かみのあるトーンで作成することにしました。
- 先進性
- 売り場で興味を引く、インパクトが残る
- 宮原さんの独創的でパワーがあるイラストの魅力を活かす
- それぞれの道祖神が持つ背景を固くなりすぎないように伝える
- デザインやアートに興味がある人にも受け入れられる間口の広さ、洗練感
今回のデザインでは目指さないこと
また、今回のデザインであえて「目指さない」ことも決めて世界観づくりの軸としています。「秋田人形道祖神らしさ」に悩んだときにどこを避けるのか判断する指標にしました。
- 暗い・怪しい
- 堅苦しすぎない
- 伝統的なデザインに寄りすぎない
アクリルキーホルダー
イラストの色彩が魅力的なかわいい手のひらサイズの道祖神キーホルダー。
それぞれに個性的な特徴を持つ多種多様な道祖神の違いを、台紙の色を分けることで表現しました。
「売り場でも目を引くキャッチーなラインナップになれば」と考え、ハッキリとした力強い特色を使って人形道祖神とパッケージのコントラストが強くなるようにしました。
特色の色は宮原さんと何度もやりとりを重ね、お互いが納得のいく色を選んでいきました。
「透け感のあるキーホルダーの後ろに敷いたときの見え方はどうか?」「キーホルダー(主役)が引き立つか?」などなど加味しながら、宮原さんとneccoのみんなで膨大な数のDICカラーから色を絞りこみました。
素朴なパステル調やサイケデリック調…どの色も捨てがたかったのですが、今回は明るくパワーを感じる色味を最終的にチョイスしました!
昔から存在する人形道祖神という神様と現実には存在しえないような色の組み合わせ、さらにイラストの色とも相まって、現実感が少しうすい「浮遊感をまとうデザイン」にしています。
商品タグ(Tシャツ・トートバッグ)
こちらは、Tシャツやトートバックにつける商品タグのデザインです。
フルカラー、単色、両面、レイアウトパターンなど複数のパターンでデザインを作成し、実寸サイズで印刷。それを実際の商品にあてながら売り場での見え方などを加味して検証を重ね、デザインを作っていきました。
表面は、複数の人形道祖神が右斜上に向かうように配置した案になりました。カラフルなイラストとあいまって、浮遊感がある角度とレウアウトで実態のない神様の軽さや、商品を手に取る楽しさを表現しました。
裏面は秋田人形道祖神プロジェクト(ANP)の二人の活動コンセプトと、秋田人形道祖神とはなにか?が伝わる内容を掲載しました。
ANPのお二人が楽しそうにおしゃべりしながら道祖神について解説しているようなレイアウトにしています。
『道祖神プロダクト制作、「タグ」開発ストーリー』秋田人形道祖神ブログ
サンダラボッチ
サンダラボッチは角川武蔵野ミュージアムのための数量限定品!
吊り紐がカラフルでとってもかわいいんです。この日のために道祖神づくりを伝承してきた職人さんが作ってくださいました。道祖神を身近に感じられるとってもレアなアイテムです。
アクリルキーホルダーの裏面と同じ新聞や雑誌のようなデザインをサンダラボッチの裏面でも流用、展開しています。この商品がショウキサマのどのあたりの部分なのか、全体像から商品がイメージしやすいようにデザインしました。
LONG LIFE DESIGN 2祈りのデザイン展
2020年12月4日(金)〜2021年2月22日まで渋谷ヒカリエd46 MUSEUMで開催された「LONG LIFE DESIGN 2祈りのデザイン展」でも道祖神グッズが販売されました!
展示終了後の現在も、書籍とポストカードはd47ショップ内で販売中です。
ぜひこの機会に道祖神ワールドを覗いてみてはいかがでしょうか?
書籍で道祖神についてじっくり知るも良し、まずは推し道祖神グッズから入るも良しです!
最後に
ANPのお二人(宮原さん&小松さん)と二人三脚でこだわりを詰め込んで世界観たっぷりなグッズができました!
道祖神の魅力をウェブサイトだけでなく、グッズからも伝える大仕事をお手伝いさせていただき、とても刺激を受けました。それぞれのグッズの魅力をどうやったら引き出せるだろうか…とたくさん悩みながら制作しました。
少しでも道祖神を知って好きになるきっかけになれば嬉しいです!
necco ではお客さまの事業を支援、強化するデザインの制作を行っています。
商品パッケージデザインのみはもちろん、ブランド全体のデザインコンセプト策定から商品デザインの展開まで一貫して承っております。
ご依頼はお問い合わせページよりお待ちしております!
参照リンク
今回ご紹介したグッズは秋田人形道祖神オフィシャルサイト、小松クラフトスペースでもご購入いただけます。
ぜひ実物お手に取ってご覧いただけたら嬉しいです!
追記:『村を守る不思議な神様・永久保存版』が発売されました。
書籍としては3冊目となる『村を守る不思議な神様・永久保存版』が発売されました。
1作目、2作目は自費出版で書籍を販売されていた秋田人形道祖神プロジェクトのお二人ですが、この度、3作目でついにKADOKAWAさんから書籍が発売されました!!おめでとうございます!
公式サイトでも近日中に販売予定です。
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(2024年9月時点)
今 聖菜
Seina Kon
秋田県生まれ。 秋田公立美術短期大学でデザインを学び、卒業後、県内外の企業ブランディング、商品パッケージ、販促ツール、書籍、ウェブなど商業デザイン全般に従事。イラストレーション及びそれを用いたデザインを得意とし、ニーズに合わせたジャンルを問わない幅広いデザイン展開を経験。2016年10月よりneccoに参画。常に丁寧なデザインを心がけ、グッとくる芯のある面白いものを作るべく日々奮闘中。 好きなものは、犬、猫、デザイン、洋服、アイドル。趣味はイラスト制作、寝ること。良くも悪くも全てにおいて非常にマイペース。似ているキャラクターはもののけ姫のこだま。人間に例えられたことがない。