夏井 ひとみ
夏井 ひとみ

necco Note

撮影・編集、音楽制作も!「秋田人形道祖神トートバッグ動画」ができるまで

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neccoの初映像作品が完成!

こんにちは。エディター兼フォトグラファーの夏井です。
このたび、秋田人形道祖神トートバッグのイメージ動画を制作しました。
neccoとしてはじめての映像作品です!

Story:Hatsuki Miyahara , Hitomi Natsui
Videography , Editing:Hitomi Natsui
Music:Fumito Abe

自分で言うのもなんですが、結構いい出来なのではないでしょうか!
撮影をスタートしたのは2020年秋。そこから何度か撮影や編集をくりかえし、やっと仕上げることができました。
今回の記事では、完成までのプロセスや苦労したこと、学んだことなどを詳しく書き残したいと思います。

完成までの道のり

まずは勉強とリサーチから

映像制作は初チャレンジなので、まずは勉強からスタートです。
撮影方法については、本を読んだりYouTubeでレクチャー動画をリサーチし、それらを参考に何度か試し撮りをしてみました。

カメラは以前の記事で紹介したSONY α7III。「写真も動画もOK!」の頼れる一台です。

編集はAdobe Premiere Proで。初心者向けの本を読むところからはじめ、試し撮りした動画を使い、実際に手を動かしながら覚えました。
また、今回は「シネマティックな動画をつくりたい」という目標もあったため、その世界観を出すためのカラーグレーディングなども学びました。
(カラーグレーディングとは、思い描いたイメージの映像にするためのカラー補正のことをいいます)

撮影・編集1回目

ひと通り勉強したものの、実践してみないと何もはじまらないので、秋田人形道祖神プロジェクトの宮原さんと一緒に撮影してみることに。

撮影場所はnecco秋田オフィス。バッグを肩掛けしたり手持ちにしたり、歩く・座るなどの動きを取り入れながら、日常で使う様子をイメージして撮影しました。

いちばん最初にできあがったのがこちら。
(お見せできるような完成度ではないのですが、失敗作としてここで供養させてください)

宮原さんのとってもとっても素敵な演技が全く活かされていない、私のざんねんなカメラワーク。
カメラを手持ちで撮影したため、全体的にブレブレです。
また、カット数が少なく、音と映像が合わない編集でテンポもキレもありません。
というわけで、撮影をイチからやり直すことにしました。宮原さんごめんなさい!

撮影・編集2回目

さすがに何度も宮原さんにつきあっていただくわけにはいきません。 今度は出演も撮影も自分ひとりで担当することにしました。カメラは三脚固定で、私がその前を動くスタイルです。

そして再編集した動画がこちら。

前回よりもだいぶよくなりました!

問題は、音楽です。この音楽自体は良いのですが、いまいちイメージに合わずしっくりきません。とはいえ、独特の雰囲気をもつ道祖神に合った音楽をフリー音源から見つけるのは至難のわざです。
さぁどうしよう!? と困っていたとき、天から声が…!!

「ぼく作りますよ」

天使かと思いました。やさしい声の主は阿部さんです。阿部さんはnecco代表でデザインエンジニアですが、モーショングラフィックスに合わせた音楽も制作しています。(詳しくはこちらの記事をご覧ください)
これまで数年にわたり秋田人形道祖神プロジェクトのブランディングを進行してきた阿部さんが、動画音楽を引き受けてくれるのなら心強い!

そんな経緯で、秋田人形道祖神の世界観が表現されたオリジナル音楽ができあがりました。
「東北」「ちょっと不思議な神様」「辺鄙な土地にぽつんと佇む感じ」「手づくり感」といったイメージが、余白や単音で表現されています。
すばらしすぎて泣きそう。

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撮影・編集3回目

涙が出るほど素敵な音楽を阿部さんがつくってくれたので、音に合わせたカット割にするために追加撮影をしました。 前回は尺長めのシーンのみを使っていましたが、今回は0.5秒くらいの短尺で使うカットをいくつか撮影。

無造作に置いたバッグ、バッグから覗くノート、淹れたてのコーヒーの湯気、ソファに伸びるブラインドの影など、暮らしのなかにある身近な光景を切り取りました。

編集は、音に合わせてテンポよく切り替え、ゆったりとしたシーンとのメリハリをつけています。 阿部さんからもアドバイスをもらいながら微調整をくり返し、やっと完成!
それがこちらです。せっかくなのでもう一度ご覧ください。

私のお気に入りは、最後にロゴに切り替わる直前のシーンです。意図していなかったのですが、自分の動きがとてもいい感じにピタッとハマってくれました。

道祖神動画 アイキャッチ
ここ!

はじめての動画撮影・編集で学んだこと

映像制作、むずかしいけれど楽しいですね!
あらかじめ勉強したり調べてから臨みましたが、実際にやってみてわかったこと・気づいたことがたくさんありましたので、以下にまとめます。

シナリオ

シナリオは必須!

複数人で撮影をおこなう場合はもちろん、ひとりで撮影する場合にも迷わないよう、撮るシーンやカットは細かく設定しておくことが大事です。シナリオがないと、撮影後に「あのシーン撮るの忘れた!」なんてことになりかねません。

音楽

できれば音楽は先に決めておく

今回、編集と同時に音楽を決めたため、「この音でもう1カット入れたい!」となり追加カットをいくつか撮影しました。何度も撮影をしなくてもいいように、もし可能なら音楽は先に決めておきたいです。 音楽をオリジナルで作る場合は、完成までいかなくても大枠のイメージだけでも想定しておくと良さそうです。

撮影

カメラは三脚固定が望ましい

カメラは三脚固定がおすすめです。特に女性や腕の力が弱い人は、手持ちで撮るとブレるし、ジンバルは重くて長時間耐えられません。どうしても手持ちで動かしたい場合は、ストラップをしっかりと首に固定してカメラを構えるとブレが少なく済みます。

独自の世界観を出したいならLog撮影を

Log撮影とは、撮影後にカラーグレーディングを行うことを前提とした撮影方法です。通常よりも広い「色域」「ダイナミックレンジ」「階調」の映像情報を記憶でき、白飛びや黒つぶれを起こさず色味やコントラストがフラットな状態で記録されます。
私もLog撮影をしようと思ったのですが、「初心者には難しい」と聞いてビビってしまい…(笑) 今回はピクチャープロファイルをLog撮影に近づけた設定に変更して撮りました。(本来、SONYのカメラでLog撮影を行う場合はカメラプリセットのPP7、PP8、PP9を使って撮影します)

カウントをとりながら撮影

使用する音楽のテンポに合わせ、声を出して「1、2、3、4」とカウントを取りながら撮影すると、編集の際に音楽と合わせやすくなります。

編集

カラーグレーディングでシネマティックに

Log撮影をして、カラーグレーディングを調整することでシネマティックな雰囲気を出すことができます。今回、編集ソフトはAdobe Premiere Proを使いましたが、DaVinci Resolveもカラーグレーディングに向いているそうなので一度試しに使ってみようかなと思います。

余計なトランジションはいらない

映像と音がうまくハマっていれば、凝ったトランジションは不要だなと感じました。はじめは「トランジションでカッコよく切り替えたい!」と思っていたのですが、実際試してみたら道祖神のイメージに合わなかったので外しました。

まとめ

映像制作にはさまざまな知識や技術が必要です。 「Log撮影」に「カラーグレーディング」など、むずかしい内容が多々でてきますが、はじめから全てを完璧にこなそうと思わず、ひとつひとつチャレンジしながら覚えていくことも大事です。

私も実際に手を動かし作品をつくることで、たくさん学びを得ることができました。この学びを生かしながら、今後も映像作品制作にチャレンジしていきたいと思います。


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夏井 ひとみ

夏井 ひとみ

Hitomi Natsui

宮城県生まれ。 大学卒業後、仙台の広告代理店にて週刊フリーペーパーの取材・編集・ライティング、企業のイベント企画・プロモーション提案などに従事。その後、住宅会社の広報スタッフを経て2014年に秋田県へ。ウェブサイト、パンフレット、商品パッケージデザインなど、さまざまな制作物におけるディレクション・編集・取材・ライティングを幅広く経験。 2017年よりneccoに参画。好きなものはガンダム、花、鳥、写真、歌うこと。似ているキャラクターはニコロビン、メーテル、エボシ御前。こけしにも似ている。

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