necco Note
【Blender4.3対応!】Freestyle機能を使って3Dモデルの輪郭をSVGとして書き出す方法
- 3DCG
- Illustration
Freestyleとは、Blenderに標準で搭載されている、オブジェクトの輪郭を線で描画できる機能です。
Freestyleは静止画や動画のレンダリングに加え、アドオンを追加することでSVGの書き出しも可能になります。
neccoアドベントカレンダー2024 15日目は、Freestyle機能を使って3Dモデルの輪郭線をSVGとして書き出す方法や、Illustratorでの調整方法をご紹介します!
Blenderのバージョンは4.3.1、レンダーエンジンはEEVEEを使っていきます。
Freestyle SVG Exporterのインストール
最初にSVGを書き出すためのアドオンをインストールします。
上記サイトにアクセス後「Get Add-on」をクリックすると、「Drag and Drop into Blender」に表記が変わるのでそのままBlenderへドラッグ&ドロップしてインストール完了です!
オンラインアクセスの許可を求められる場合は「プリファレンス」→「システム」→「オンラインアクセスを許可」にチェックをいれます。
Blenderの設定
Fleestyleの設定
レンダープロパティ内の「Freestyle」と新たに追加された「Freestyle SVG Exporter」にチェックを入れます。
出力先の指定
次にSVGの出力先を設定します。
出力プロパティを選択、出力のフォルダアイコンをクリックし任意の出力先を設定します。
以上でFreestyleの書き出しの準備が整いました🎉
モデルの作成とカメラの設定
今回はこの宝石の3Dモデルの輪郭線をSVGとして書き出します。
簡単宝石モデリング
宝石のモデルはデフォルトキューブを使って簡単に作れるので試してみてください
- キューブの4つの辺を選択し、ベベル(Ctrl+B)で面を追加します。
ベベルの分割数が多い場合はマウスホイールで調整します。 - 8角形の面を選択し、同じくベベルで面を追加、
- 好きな形に整えて完成!
カメラの設定
カメラは宝石のモデルの正面に配置しました。
3Dモデルがすべておさまるようカメラの画角を調整していきます。
3Dビュー内のカメラアイコンをクリックするとカメラビューに切り替えることができます。
カメラビューを3Dビューのように操作したい場合は、カメラアイコン下の鍵アイコンをクリックしロック状態にします。
レンズのタイプ
レンズのタイプは下記3種類から選ぶことができます。
- 透視投影
- 平行投影
- パノラマ状
普段は透視投影と平行投影を使用することが多いです。
透視投影ではレンズの焦点距離を設定することが可能なので、作りたいイメージによって変更しています。
3Dモデルの別角度も書き出したいときに
複数の角度を書き出したい場合、簡易的ですがオブジェクトの角度を変えてタイムラインにキーフレームを打つことが多いです。
ファイル名もフレーム数で書き出されるのでわかりやすくおすすめです!
輪郭線をSVGとして書き出し
モデルの角度やカメラの画角が決まったらレンダリングをします。
設定した出力先にSVGが自動で保存されます。
書き出される線を増やしたい
一部の線が書き出されない場合はビューレイヤープロパティ内「Freestyle」の「エッジ探知」→「クリース角度」の値を170°などに調整します。
見えていない部分の線の書き出し
初期の設定では見えている部分の線が書き出されますが、背面などの見えていない部分の線も書き出すことができます。
書き出すことのできる基本的な線の種類は下記の3種類。
- 可視
- 不可視
- 定量的な不可視(QI)
「定量的な不可視」は少し複雑なので今回は「可視」と「不可視」を使っていきます。
「可視」は面によって隠されていない線のみを書き出し、「不可視」は少なくとも1つの面によって隠された線を書き出します。
それぞれ、ビューレイヤープロパティ内の「Freestyleラインセット」→「可視性」から選択可能です。
指定した線の書き出し
続いて特定の線のみを書き出す方法です。
少し複雑なダイヤモンドのモデルを用意しました。編集モードで書き出したい辺を選択します。
選択したまま右クリックでメニューを開き、「Freestyle辺をマーク」を選択します。
モデルを選択したまま、ビューレイヤープロパティ内の「Freestyleラインセット」→「エッジタイプ」を展開し、
「シルエット」と「辺マーク」にチェックを入れます。
この状態でレンダリングするとマークした辺のみがSVGとして書き出されます。
複雑なモデルのときに活用できそうです!
Illustratorでの編集
書き出されたSVGをIllustratorで編集します。
パスの単純化
パスを単純化し、大量にあるアンカーポイントを減らします。
「オブジェクト」→「パス」→「単純化」を選択し、自動単純化またはスライダーを使って手動で単純化を行います。
塗りを作成する方法
線として書き出されたパスはほとんどがオープンパスになっています。
Freestyleで塗りも書き出すことは可能ですが、個々の面を分けて書き出すのが難しそうなので普段はIllustratorで作成しています。
- 書き出されたパスの背景に塗りのシェイプを配置
- 書き出されたパスと塗りのシェイプ両方を選択し、パスファインダーから「分割」を実行します。
- 周りの不要なシェイプを削除して完成です🎉
モデリングできなくても大丈夫!おすすめアドオン
Extra Mesh Objects
「指定した線の書き出し」で使用したダイヤモンドのモデルは「Extra Mesh Objects」というアドオンで簡単に追加することが可能です💎
ダイヤモンドの他にも歯車や星、結び目のようなオブジェクト、少し変わったものではティーポットまで用意されています。
アドオン追加方法は「Freestyle SVG Exporter」と同様にドラッグ&ドロップするだけでとても簡単です!
まとめ
Blenderを使うことで様々なモデルの輪郭線を簡単にSVGとして書き出すことができます。
作成したモデルを3DCGとしてレンダリングすると、3Dと2Dの組み合わせもできるので表現の幅が広がりおすすめです!
シンプルなモデルだと5分もかからずSVGを書き出せるのでぜひ試してみてください✨️
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(2024年11月時点)
長野 真理
Mari Nagano
北海道生まれ北海道育ち。生まれてからずっと北海道。
好きなものは音楽、おばけ、3DCG、睡眠。趣味はライブに行くこと、美味しいケーキやお菓子を食べること、たまにおばけアクセサリーをつくること。ライブは生きがいです。人生。
最近はプライベートで音楽関係のデザインにも関わっています。動画編集も楽しくてVlogをはじめたい。