阿部 文人
阿部 文人

necco Note

Awarefyリブランディングのすべてvol.1 – 制作の全体像編|会社案内資料、キャラクター、ロゴ、ブランドガイドライン、ウェブサイト制作まで

  • Brand Design
  • Creative Direction

AIメンタルパートナー「Awarefy」さんのリブランディングをneccoで担当いたしました

Awarefyリブランディングのすべてvol.1 アイキャッチ画像

2024年5月9日、PR TIMESより株式会社Awarefyさまのリブランディングのリリースが発表されました。

アウェアファイ、心の健康や成長が日常になる新たな未来へ、リブランディングを実施

neccoは本プロジェクトにおいて、Awarefyさまの新しい方向性や未来像の実現に向けての言語化や視覚化をお手伝いするため、会社案内資料、キャラクター、ロゴ、ウェブサイト制作を担当いたしました。

この記事では、上記に関する制作のながれや成果物をご紹介いたします。

※ Awarefyさまの主要事業である「AIメンタルパートナー アウェアファイ」のアプリUX、UIのリニューアル開発は、Awarefyさまが担当しております。

リブランディングプロジェクトの概要

neccoのコーポレートサイトへのお問い合わせからはじまったプロジェクトですが、当初のご依頼では成果物すべては明確化されていませんでした。お客さまの課題として「根っこの課題は、Awarefyという会社が何をしていて、会社としてどういう方向に向かっていくかなどが、そもそも“言語化”できていない」というお客さまがすでに持っている課題からスタートしました。

お打ち合わせをする中で、すでにある根っこの課題をどのように解決、お手伝いできるか?から考え、まずは言語化を支援しながら、形にできる「会社案内資料」の作成をご提案してすすめていくこととなりました。

ウェブサイトからでなく会社案内資料をおすすめした理由は、資料の先頭から順に伝えたい内容や伝えるべき内容を整理していけるからです。Figmaを利用して全体を俯瞰しながら進めることもできるので、企業や組織が伝えるべき内容をまとめやすく、伝えるべき内容を整理しながらneccoの強みを活かして、伝わる内容になるようにお客さまと調整、改善をワイヤーフレーム段階で進めていきます。

会社案内資料ができあがるころにはキャラクター制作に動き出し、続いてロゴ、ブランドガイドライン、コーポレートサイト、会社案内資料ver2の作成へと進んでいきます。

成果物としてまとめると、Awarefyリブランディングプロジェクトではneccoでは下記制作のお手伝いを行いました。

  1. 会社案内資料 – Company Deck ver1
  2. コーポレートキャラクター「AIメンタルパートナー ファイさん」
  3. ロゴマークとロゴタイプフェイス
  4. コーポレートサイト
  5. ブランドガイドライン
  6. 会社案内資料 – Company Deck ver2

ご依頼の内容と背景

ご依頼はneccoのコーポレートサイト(https://necco.inc)のお問い合わせフォームよりいただきました。まずは初回のミーティングを行い、ご依頼の内容や課題などのお話を伺いました。

もともとAwarefyさまが持っていた課題は、先日公開された対談記事でも詳しくお話いただいています。

リブランディングプロジェクトは2023年 9月頃から始動しました。その当時、Awarefyとして感じていた根っこの課題は、Awarefyという会社が何をしていて、会社としてどういう方向に向かっていくかなどが、そもそも“言語化”できていないと思っていました。

これまで代表をはじめメンバー間では、なんとなく抽象的な言葉や思いの共有はありましたが、それぞれが感じる思いや表現の仕方によって言葉が変わっていたり、方向性は同じですが、言葉としてぼんやりしていた部分が、クリエイティブや施策などでうまく反映されていないということがありました。そして結果的に、伝えたいことが上手く伝わらないものができてしまったりなど、“伝えたいことの言語化”ができていない事に課題がありました。

【対談】アウェアファイの“根っこ”を探る!リブランディングプロジェクトの舞台裏と未来への展望<前編> より

お問い合わせの際に下記の課題をいただき、「これは私たちがお役にたてそう」と強く思ったのも印象的でした。すでに事業やサービス(アプリ)なども動いており、さらにここから。というタイミングだったと思います。

コンセプトや想いは創業当初から強く持っているものの、それらを「もっと伝わる形」にしたいという課題を抱えています。そのためには、コンセプトやビジョン、ブランドの言語化と具体化が必要ではないかと考えており、この点にお力添えいただけないかと考えております。

初期お問い合わせの取締役CTO池内さんのメッセージより

このような課題をいただき、初回ミーティングを終え、初回提案時には大枠の制作の構想を提案させていただきました。

全体の成果物の役割や展開イメージ図も、初回提案時に提示しました。

また、公開された最新の会社案内資料ではかなりブラッシュアップされましたが、ご契約前に会社案内資料の台割案も提示。一番最初となるであろう成果物のイメージをもってもらおうと考えました。

同じく最後に公開されたウェブサイトのサイトマップもこの段階で一度提示しています。これが2023年8月末のことです。

会社案内資料 – Company Deck ver1

無事に最初の成果物のご契約も終わり、まずは既存のロゴを利用した会社案内資料(Company Deck)の制作から開始しました。未来像を明確にするために、neccoで利用しているヒアリングシートを利用してお客さまの歴史や独自性、価値、強み、競合、未来像、困っていることなどなど、用意している多数の項目にご回答をいただきながら言語化をすすめました。

ヒアリングシートが整ってきた後に会社案内資料の概要を固めていき、下書きをFigmaで行っていきます。

ページ構成や掲載する言葉、図版などをFigmaを使ってneccoが作成したものをAwarefyさまチームに見ていただく。ということを何度も繰り返し、デザイン前にほぼ全ての内容について固めていきました。

さらにデザインを開始してからも、掲載内容の修正や、言葉の微調整を繰り返していきました。

まずはAwarefyさんの組織の中でも道しるべになる資料を目指し制作をすすめ、このリブランドプロジェクトは幕を開けました。

制作した資料は下記のようなものです。部分的に抜粋して掲載いたします。

上記デザインは最新のデザインとは異なります。

現在はAwarefyさまのコーポレートサイトまたはSpeaker Deckにて最新版が公開されています。

最新版のデザインについては後述します。

コーポレートキャラクター「AIメンタルパートナー ファイさん」

会社案内資料ver1を制作した後は、キャラクターの制作に入ります。当初のご要望ではアプリの中の一部やコーポレートサイトやPRで一部利用することを想定していましたが、今後のAwarefyさまが目指すアウェアファイが現実に溶け込んでいく未来を実現するため、当初の想定を大きく超えて、「AIメンタルパートナー ファイさん」としてアプリはもちろん、PRやコーポレートサイトでも利用していただくこととなりました。

ロゴマークとロゴタイプフェイス

ファイさんが想定よりもAwarefyのみなさまに好評で、これからのAwarefyさんにとって重要な存在になる可能性を見出してもらったので、大きく舵をきり、ロゴマークの変更も続けてご依頼いただけることとなりました。

お問い合わせをいただいた当初は「ロゴやタグラインなどは変更しない予定です」と伺っていましたが、neccoで制作した会社案内資料の言語化や新しいキャラクターが見えてきたことにより、判断する材料が少し整ってきたところでロゴの制作に着手しました。

ロゴマークとタイプフェイスの制作は、このリブランディングプロジェクトで一番制作期間がかかり難航した成果物となりました。

ご依頼当初はロゴに関しては微調整、改善での制作予定でしたが、新しく言語化された会社案内資料やコーポレートキャラクターのファイさん、ロゴのあとに制作予定のコーポレートサイトを踏まえ、当初のご依頼内容はリセットしつつ、改めてロゴを検討する時間をいただくタイミングとなりました。

数多くの微調整案を制作していましたが、私たちもこれだ!というロゴを見つけることができず。模索した期間が続きました。

一度リセットしたタイミングで、改めてヒアリングシートなども読み直し、制作した会社案内資料もメンバーで再読。次の提案では確実にこれだ!と思ってもらえる、今後ずっと利用してもらえるロゴにしようと再作成し、ロゴ提案書も作成しました。

Awarefyロゴ最終案
コンセプトメッセージ
人の心をあらゆる確度から包み込むように

コーポレートサイト

ロゴがおおよそ完成してきた後にコーポレートサイトの制作にも着手しました。ワイヤーフレームなどはロゴ制作と平行してすすめ、ロゴ完成をまたずにコーポレートサイトのデザインを進めました。

マークや言語化はできてきたものの、Awarefyさまのコーポレートサイトとして情報基盤になるもの、網羅的に情報を掲載していけるサイトを目指して制作を進めました。ノーコードツールのSTUDIOを利用し、実装もneccoで担当しています。

ブランドガイドライン

キャラクター、ロゴ、コーポレートサイトも完成してきたので、新しいロゴにあわせてブランドガイドラインも作成しました。

ブランドガイドライン
Awarefy
目次
ブランドアイデンティー
ヴィジュアルアイデンティティー
コーポレートアイデンティティー
Awarefyロゴデザイン
ファイさんの表情バリエーション制作案

会社案内資料 – Company Deck ver2

コーポレートサイトのリニューアルが完成し、最後の成果物として会社案内資料を再作成しました。ロゴやキャラクターを追加し、コーポレートサイトで作成した図版やグラフィックなどを使用しながら進行しました。

コーポレートサイトに掲載する内容の言語化をさらに進めたため、会社案内資料においても伝える順や内容などをさらに整理することができました。

ver2ではファイさんも登場し、新しいロゴやグラデーションなども適用されリブランディングプロジェクトの成果物はここで一度完成となりました。

株式会社Awarefy会社説明資料 / Awarefy-Company-Deck – Speaker Deck

Awarefyリブランディングプロジェクトまとめ

上記がAwarefyさまのリブランディングプロジェクトの全体像となり、neccoでは

  1. 会社案内資料 – Company Deck ver1
  2. コーポレートキャラクター「AIメンタルパートナー ファイさん」
  3. ロゴマークとロゴタイプフェイス
  4. コーポレートサイト
  5. ブランドガイドライン
  6. 会社案内資料 – Company Deck ver2

の順で制作を行いました。

約9ヶ月にわたる大きなプロジェクトでしたが、無事に完遂し、数字的な成果もでているということで嬉しいです。

neccoのメンバー総力をあげてプロジェクトを進行し、Awarefyさまのみなさんと制作でき、Awarefyさんはもちろん、利用者さんからも喜びの声をいただいておりメンバーも大変喜んでいます。

プロジェクトを通しての所感

ブランドの成長や売上の向上はまだまだ道半ばだと思いますが、制作したデザインがより多くの方を優しく包みこんでくれることを願っています。

私、個人としてはとても感慨深いプロジェクトになりました。心の病気や問題は看過できないものだと私自身は考えており、過去に大切な仲間を失ってしまったことがあります。それもあって、できるかぎり多くの人に柔らかく、優しく、心を包みこんで抱きかかえてくれるような。見ているだけ触れるだけでも優しい気持ちになってしまようなデザインにしたいとプロジェクト開始時より考えていました。利用する言葉も色もレイアウトもロゴもキャラクターもどこか優しく、形として尖っていないもの、不安にならないよう安定したものをイメージし成果物がそうなるように、全体の指揮をとり、デザイン、言語化をメンバーと共にしていました。

一人でも多くの人がAwarefyさんのデザインやキャラクター、ロゴはもちろん、事業を通して、「大切と向き合う、自分をつくる」ことを実現できることを願っています。

そしてAwarefyさんがこれからも心の問題に取り組み続けられるよう、制作したデザインが推進力を生み出せるようにこれからも支援していければと思います。

ロゴのコンセプトメッセージである「人の心をあらゆる角度から包み込むように」はそんな思いがピッタリと形になったものになりました。ロゴの最終提案の直前に私が書いたコピーです。そのコピーをAwarefyさんがタグラインにしよう!くらい言ってくれたことがとても嬉しかったです。

長期に渡るプロジェクト本当にありがとうございました!neccoのメンバーの活躍もそれぞれ素晴らしいものでした。誇りに思います!

宣伝:6月28日にCSS Niteで本プロジェクトの舞台裏をご紹介

今後、キャラクター制作秘話とロゴ制作秘話を別の記事でお届けする予定ですのでぜひ、そちらもご覧いただければと思います。

今回のAwarefyさまのリブランディングプロジェクトの舞台裏をCSS Niteで「チームでつくるデザイン。neccoの舞台裏」として開催します!

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チームでつくるデザイン。neccoの舞台裏 – CSS Nite | Doorkeeper

対談記事のご紹介

Awarefyさんとの対談記事も公開されました!対談形式で今回のリブランディングプロジェクトの中心となっていただいた取締役CTOの池内さんと、リブランプロジェクト始動の背景 、necocへのご依頼の背景 、プロジェクトの進め方、言語化やデザインで意識したことなどについてお話させていたいだてます。

【対談】アウェアファイの“根っこ”を探る!リブランディングプロジェクトの舞台裏と未来への展望<前編> 

株式会社necco 代表取締役 阿部 文人
株式会社Awarefy 取締役CTO 池内 孝啓

【対談:前編】アウェアファイの“根っこ”を探る!リブランディングプロジェクトの舞台裏と未来への展望 | Awarefy Diary

【対談】アウェアファイの“根っこ”を探る!リブランディングプロジェクトの舞台裏と未来への展望<後編>

【対談:後編】アウェアファイの“根っこ”を探る!リブランディングプロジェクトの舞台裏と未来への展望

Awarefyさま実績ページ

AIメンタルパートナー アウェアファイ ファイさん

neccoの実績ページではお客さまのコメント含め、制作したデザインの各メンバーのコメントなども掲載しています。

心の問題に取り組む企業「Awarefy」ブランドデザイン・コーポレートサイト – 株式会社Awarefy|necco inc.

阿部 文人

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Fumito Abe

東京都生まれ。オフィス仲介、外国人専用ゲストハウスなどの不動産業界にて自社ブランデング・ウェブマーケティングに従事。ウェブサイトの解析、広告運用、多言語サイトの制作を経験。その後、サンフランシスコにて語学留学を兼ね1年渡米。現地企業ECサイトの企画からCMS開発、デザイン制作なども担当。帰国後、2013年9月より秋田県内企業にてWordPressを中心にウェブサイトを多数構築。 2016年10月秋田県秋田市にて株式会社neccoを設立。WordCamp Kyoto 2017・WordCamp Osaka 2018・各地のJP_Stripes・JP_Stripes Connect 2019、CSS Nite LP64の登壇やAlexa Day2018・2019の運営など社外でも積極的に活動中。 好きなものは猫、読書、建築、Apple。2匹の猫と仲良く暮らしています。

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