necco Note
スタジオや照明機材がなくてもOK!窓からの自然光だけで商品撮影する方法
- Photograph
こんにちは、編集や撮影を担当している夏井です。
neccoでは、お客さまのウェブサイトや販促物に掲載するための写真撮影をお手伝いしています。
書籍、キーホルダー、Tシャツ、トートバッグなどのグッズ撮影や、スタッフをモデルにした人物撮影、病院の院長さんやスタッフさんのプロフィール写真撮影。ときにはラーメンの調理からスタイリング、撮影までを担当させていただくこともありました。
neccoには撮影スタジオも本格的な照明機材もないため、これらの写真はオフィスの窓から入る自然光だけで撮影しています。
今回は、これまで私が実践してきた撮影方法をまとめていきたいと思います。
セッティング
まずは撮影の準備から。neccoで実際に使用しているものや、その配置方法を紹介します。
必要なもの
商品撮影に便利なのが白い背景です。白は光を拡散してくれるため、レフ板と同じ役割となって対象物を明るくキレイに写してくれます。
ラッキーなことに、neccoには白い壁と白いテーブルがあるんです。まるで撮影するためにあつらえたかのよう!
ですが、さすがにこんな良い条件が揃った場所なんてないと思いますので、以下で代用できます。
- 白いスチレンボード2〜3枚(100均にも売っていますがすぐ反ってしまうので、5〜7㎜くらいの厚さがあるとGoodです!)
- スチレンボード をおさえるための背の高いもの。ペットボトルや瓶、ブックエンドなども使えそう!
もちろん白以外の色を入れて撮影したい場合もありますよね。そんなときは、こんなグッズがおすすめです。
厚みのある木材の両面に背景素材が貼られた背景ボード。
サイズは70cm×49cmと大きく、丈夫で使いやすいので、物撮りの際に重宝しています。
neccoで購入したのは「ストーン」と「クレイ」。ストーンは表面がデコボコしていて、本物の石のような質感です。
配置
まずは、左に大きめの窓がある場所を確保します。スチレンボードを1枚敷き、正面と右側に1枚ずつ立てかけます。
右側のスチレンボードはなくてもOK!光の強さや影の具合を見ながら調整します。
光が強すぎる場合は、窓にトレーシングペーパーを貼るとやわらかい光になります。
ちなみにneccoオフィスは西日が強いため、撮影はできるだけ午前中に行っています!
左側を明るくする理由は?
ウェブサイトや冊子などに使用する写真の場合、私は上記のように左側を明るくするようにしています。
これまでに順光や逆光、右サイド光など、さまざまな角度からの撮影を試してみました。
そのなかでいちばん自然に見えたのが「左サイド光」、つまり左側を明るくした場合だったのです。
左サイド光が自然に見える理由は、「ウェブや紙のデザインは左上からはじまる」からだと考えています。
この記事も、左上から文章がスタートし、右下へと流れていきますよね。
写真も同様で、左側を明るくすることで左から情報が入り、自然な見え方になります。
もちろん、左側を明るくすることだけが正解ではないと思います!
右から情報がはじまるメディア(たとえば縦書きの冊子など)もありますので、メディアや商品の特徴に合わせて、都度光の角度を調整するのがおすすめです。
カメラの設定
撮影モード
ボケ感を調整できる「絞り優先モード」、または「マニュアルモード」がおすすめです。
シャッタースピード
手ブレせず明るめに撮れるギリギリの「1/60s」くらいが良さそうです。
絞り(F値)
開放(一番小さな数字)にすると背景だけでなく被写体までボケてしまうので、F5.6〜6.3くらいがおすすめです。
ホワイトバランス
重要なのは「オートにしない」こと。オートにすると、その瞬間の自然光の加減によって色が変わってしまいます。
カスタム設定するか、「太陽光」「曇り」などお好みの設定に固定します。
ISO
私はLightroomやPhotoshopで補正することを前提に撮影するので、「あとで明るくしよう〜」とAUTOにしてしまうことが多いです。
自分でISOを設定する場合は数値を上げすぎると粗くなってしまうので、上限1250くらいがいいかなと思っています。
この方法で撮影した写真を紹介します
三光不動産さまリフォームパンフレット
こちらは三光不動産さまのリフォームパンフレットです。
厚みのない三つ折りパンフレットなのですが、自然な影ができました。ISO低めで撮影したため、現像で明るくしています。
夏井家の採れたてトマト
毎年夏に、自宅の庭で育てているトマトです。(今年も豊作でした!)
真下と正面にスチレンボードを設置して撮影しました。
すべてJPEG撮って出しです。ISOを1250に設定したら、補正なしでも明るくてキレイ!
ホワイトバランスをカスタム設定(青緑寄り)にしたのでちょっと冷たいイメージですが、これはこれで夏っぽさが出ていてアリだと思います!
スチレンボードの反りがどうしても出てしまうので、反りが目立つ写真は補正したほうがよさそうです。
ここでホワイトバランスを「曇り」に変更!あたたかみが出て、自然の色に近い写真になりました。
カヌレ
秋田市にある「ルル・クロシェ」さんのカヌレです。
10月にお店に行ったら、シャインマスカットのカヌレがあったので迷わず購入!
先ほど紹介した背景ボードの「クレイ」を敷いて、斜めと俯瞰から撮影しました。明るすぎない落ち着いたトーンに仕上げています。
さいごに
今回紹介した撮影方法は、一眼レフやミラーレスカメラに限らず、コンデジやスマートフォンでの撮影にも使えると思います!
これから商品撮影にチャレンジしたい方がいましたら、参考にしていただけるとうれしいです。
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(2024年11月時点)
夏井 ひとみ
Hitomi Natsui
宮城県生まれ。 大学卒業後、仙台の広告代理店にて週刊フリーペーパーの取材・編集・ライティング、企業のイベント企画・プロモーション提案などに従事。その後、住宅会社の広報スタッフを経て2014年に秋田県へ。ウェブサイト、パンフレット、商品パッケージデザインなど、さまざまな制作物におけるディレクション・編集・取材・ライティングを幅広く経験。 2017年よりneccoに参画。好きなものはガンダム、花、鳥、写真、歌うこと。似ているキャラクターはニコロビン、メーテル、エボシ御前。こけしにも似ている。